投稿日: 2019/08/04

整体オガサワラ

8月、炎天下でのラグビーの試合中だった。引退記念試合。これきりできっと、ラグビーなんてしんどいスポーツは最後にしよう。負けるわけにはいかない。先取点を取られている。格下の相手、前半をとられるわけにはいかない。

しかし、はやくも疲れている。カラダのキレがわるい。暑さのせいなのか?負けるわけにはいかない焦りのなか、ふきだす汗とともに、気力までながれていっている。いつもとはちがうレベルの疲れ。こんなにも衰えたか?練習不足なんか?...思えばこの時点で、わかりやすい脱水症状だったんだろう。若さゆえか、試合に勝つこと以外考えていなかったが。

 試合に出て、やかんから直接水を飲むのがステイタスな時代。「水を飲むと疲れるから、のどをちょっとうるおすだけな!飲むんじゃないぞ!」と教わった。顔を洗うふりをして水を飲んで、何度しかられただろう。

結局試合は敗退、体力も気力も完全にしぼりだされた。土のうえにへなへなとすわりこむ。アタマがもうろうとするなか、がまんできずコカ・コーラをながしこむ。なにはともあれ水分補給だ。気をつかったかおかしさに気づいたか、マネージャーが真っ先に持ってきてくれた。ホイッスルが鳴るまで、どれだけこの瞬間を夢みたか。束の間の幸福。だが刹那、全身がビクビクとけいれんしはじめる。なんだこれ...。

脚、おなか、順をおって、カラダが次々とつっていく。「オレ、どうしたん?」不思議と客観的な自分もいる。コレ絶対マネージャーキモがってるわ。オレ、どうすりゃいい?いやそんなことはどうでもいい。おなかつってるって!呼吸しづらいやん!「こむら返り」。ちょっと前に本で読んだけど、コブラ返りじゃなかったよな。なるほど、ふくらはぎって、形がコブラっぽいよな。早朝ふくらはぎがなんとも言えない痛みにおそわれる、あの感じ。あれが下半身に広がってる。そして背中から腕へ。次はどこだ?

たまらずあお向けになって、真っ青な空を見上げる。意識ははっきりしている。というか、痛みと苦しさではっきりさせられている。さいわい、胸までは上がってこない。心臓も筋肉だ。心筋までつってしまうと、きっと危ない。サイレンが聞こえてきた。

駆け付けた救急車で緊急搬送され、誘惑に負けてコーラを飲んだことを、医師に激怒される。親にもここまで怒られたことはない。

「ラグビーの試合にも負け、自分との戦いにもまけた」高校生の話でした。


 ※写真はイメージです。
 ※お客様の実体験を元にしたフィクションです。
 ※自分を過信せず、水分補給しましょう!
 ※医学的な誤りのご指摘歓迎致します。
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